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なぜ大増税?
2005年増税についての議論が活発になってきました。
日本の財政が危機的状況の中、財政再建が必要ということは、ある程度共通した意見と思います。しかし、財政再建のために必要なことは、増税だけではありません。増税よりも先にやるべき重要なことがあります。
財政再建のためには、
- 支出を減らす → 歳出削減・行政改革
- 経済規模(GDP)を大きくする → 構造改革
- 収入を増やす → 増税
が必要です。増税よりも歳出削減・行政改革、構造改革の方が重要かつ先に行うべきことです。
本来、増税は歳出削減や行政改革を行うかまたは道筋をつけた後、増税すべきであるが、やはり予想どおり増税が先にはじまったようです。しかし、大幅な歳出削減・行政改革は行なわれないでしょう。
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大増税案
現在(2005年10月時点)の国民負担となる増税および社会保障項目(実施済み、予定、未定含む)をあげてみます。
| 2004年 |
国民年金、厚生年金等保険料引き上げ |
国民年金は280円/月、厚生年金は0.354%(本人負担0.1%)毎年引き上げ(平成29年まで)。 |
| 配偶者特別控除廃止 |
最大38万円の控除廃止 |
| 老年者控除廃止 |
50万円の控除廃止 |
| 2005年 |
国民年金、厚生年金等保険料引き上げ |
− |
| 公的年金等控除の縮小 |
65歳以上の控除枠の縮小 |
| 雇用保険料引き上げ |
− |
| 住民税・配偶者特別控除の廃止 |
最大38万円の控除廃止 |
| 2006年 |
国民年金、厚生年金等保険料引き上げ |
− |
| 定率減税半減 |
所得税額の20%相当額の減税半減 |
| 2007年 |
定率減税全廃 |
所得税額の20%相当額の減税全廃 |
| 時期未定 |
第3のビール増税 |
− |
| 消費税引き上げ |
10−15%? |
| 環境税創設 |
一世帯あたり約3,000円/年の負担 |
| 退職所得控除の削減 |
*1 |
| 給与所得控除の削減 |
*2 |
| 配偶者控除の廃止 |
38万円の控除廃止 |
| 生命保険・損害保険控除の廃止 |
生命保険料で最大10万円、損害保険で最大15,000円の控除廃止 |
- *1: 退職所得控除
- 退職控除は以下の式で算出されます。
| 課税所得 = (退職金額 − 退職所得控除額) × 1/2 |
退職所得控除額が大きい点と2分の1できる点で他の所得よりも優遇されている。
2007年からの団塊の世代の大量退職に伴う退職金を狙っているとされる。
※退職所得控除額
| 勤続年数 |
退職所得控除額 |
| 20年以下 |
40万円 × 勤続年数 (最低80万円) |
| 20年超 |
70万円 × (勤続年数−20) + 800万円 |
- *2: 給与所得控除
- 給与所得控除は、サララーマンのみなし控除とされる。一時期、サラリーマンにも経費支出を認めろといった動きがあったが、現在では、この給与所得控除は経費としては、十分な控除額となっています。例えば、年収500万円の会社員の場合、給与所得控除額は154万円になります。しかしながら、現在に至るまでにさまざまな経緯・背景がありました。
※給与所得控除額
| 給与等の収入 |
給与所得控除額 |
| 180万円以下 |
収入 × 40%(最低65万円) |
| 180万円超 〜 360万円以下 |
(収入 − 180万円) × 30% + 72万円 |
| 360万円超 〜 660万円以下 |
(収入 − 360万円) × 20% + 126万円 |
| 660万円超 〜 1000万円以下 |
(収入 − 660万円) × 10% + 186万円 |
| 1000万円超 〜 |
(収入 − 1000万円) × 5% + 220万円 |
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税額の算出の仕組み
我々の税額は、以下の手順で算出されます。
- 所得金額の算出
収入から経費(給与所得控除)を差し引いたものを「所得金額」といいます。年収と所得は異なりますので気をつけてください。
- 課税所得金額の算出
「所得金額」から社会保険料や配偶者控除、生命保険料控除などを控除し、課税所得を求めます。
- 税額の算出
課税所得金額に税率を掛けて、税額を算出します。
- 納付税額の算出
税額から、配当控除や住宅ローン控除、定率減税控除し、納付税額を求めます。
図1: 税額算出の仕組み概要図
政府の税収を増やす方法には、「収入を増やす」「控除を減らす」「税率を上げる」「新しい税収」があります。
「収入を増やす」というのは、景気がよくなり収入・消費が拡大する、もっとも望ましい税収アップです。政府は、単に税率を上げると増税感が強いため、控除を減らしたり、環境税などの新しい税を創設しようとしています。また、税だけでなく年金や社会保険などの社会保障費の引き上げも我々家計の負担増です。税も社会保障費も一体と考えたほうがよいでしょう。
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2005年の負担増
2005年に実施された負担増は、以下のとおりです。
| 時期 |
内 容 |
増加額(円) |
現在の負担額(円) |
| 4月 |
国民年金保険料 |
3,360 |
159,600円 |
| □雇用保険料 |
3,600 |
25,200円 |
| 6月 |
☆住民税・配偶者特別控除の廃止 |
27,600 |
139,000円 |
| 9月 |
☆厚生年金保険料 |
13,400 |
481,500円 |
| 2006年1月 |
☆定率減税半減 |
34,800 |
297,000円 |
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・□は、月収30万円の場合
・☆は、年収700円で夫婦・子供2人の場合 |
| 2005年3月29日 日本経済新聞より引用 |
日本政府に望むべくは、歳出削減、行政改革です。歳出削減を行わないで財政再建した国はありません。もし、行政のコスト意識なしに増税を行うと新たな財源が増えるだけで、ムダ使いが増え、結果的に財政赤字は減らないでしょう。
この大増税の動きは、2005年の衆議院選挙に自民党が大勝したことによるものです。2005年の衆議院議員選挙は、将来からみた場合にエポックメイキングとされるかもしれません。
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